媒体無しのアジカンと闇に吸い込まれたしょこたん。

 

アジカンの新アルバム『Wonder Future』をオーストラリアで聴きたかったのでオーストラリアのiTunes storeで購入した。

 

 

 

    

1オーストラリアドル96円換算で11曲入りのアルバム一枚が17ドルなので約1630円、

日本のiTunes store日本円だと2100円

ちょっと安い。

通常盤のCDの価格は税込3146円。

曲だけ聴きたいというなら一番安い。

な、なんと。

 

 

 

違いは日本版だと曲名が『English / 日本語』と表記されているのが『English』のみ。

あとアーティスト名が全てキャピタルではなく『Asian Kang-Fu Generation』と表記されているという細かな点のみ。

 

但し海外でiTunes cardを購入した場合、新たにその国(今回はAUS)でのアカウント・ストアの変更をしないといけないので注意。

これが面倒。このせいで30分は格闘。

 

何度か一曲だけネットからダウンロードしたことはあったけど今回は初めてアルバムという単位で買った。

 

いや、便利なもんだ。渉外

泥だらけのワークシャツで芋畑から海を渡ってタワレコ千葉店に足を運ばなくても、海外版がリリースされるのを待ったなくても、ネットでダウンロードすれば見えない電波に乗ってアルバムがやってくる。

スピーカーから同じ振動が色々な障壁をいとも容易くビョコッと飛び越えてくるのだ。

なんだかロマンチックにも思えるしとにかく感動。魔法だねもう。

 

 

まあ日本に帰ったら結局CDでも買うのだけれど。

やっぱりジャケットがあって歌詞カードの匂いを嗅ぎながら耳で聴こえた歌と歌詞カードの文字に目線を並走させたい。

 

それにデータだと元の媒体が手元にないし、なんとなく温かみが無いのでなんとなく索漠としていて不安。

CDもレコードと違ってデジタルデータだけどディスクやらジャケットやらの媒体があるからレコード程では無いけれど、俺にとっては一番親くて温かみが残っている。手で触って「ちゃんとここにある。」と感じられるし、懐に隠し忍ばせて「これは俺だけのものだ!」ってやろうと思えばやれる。

 

と言うのも昔、iTunesで別のアカウントで購入した曲が聴けなくなってしまったことがあった。新しいアカウントを作って前のパスワードを忘れてしまったからだ。

おかしな話でデータとはいえ購入した物がその後も見えない紐で売り手に束縛・拘束されて、時にひょいっとその紐を引っ張ってどこかへ隠してしまう。

パスワード確認時のヒントで「最初に飼った猫の名前は?」という質問に答えても、

 

「違います。」

 

と。違くないよ。合ってるっての。お前チビにあったことないだろ。パソコンのくせにうちの猫をそんな名前じゃないだとかそんなこと言うな。生意気な。

 

そのせいで俺は天元突破グレンラガンでハマった『しょこたん☆べすと――(°∀°)――!!』の『空色デイズ』を3年近く聴けていない。

 

 

「君は聴こえる?僕のこの声が

       闇に虚しく吸い込まれた」

 

 

しょこたんへ、君の声はセキュリティに阻まれて俺の所まで届いてないよ。

言葉通り闇に虚しく吸い込まれたよ。

俺の心のドリルもセキュリティは貫けない。

こればっかりは根性論ではどうにもできないからさ。

ね、アニキ、シモン。

 

ダウンロードでなくCDならば棚から出してディスクドライブに入れれば済む話だ。

最初に飼った猫の名前なんかも鬱陶しく聞かれない。

 

 

 

ところでCDを買った場合とダウンロードした場合、作者に直接利益が届くのはどれなんだろうか。

作者本人でなくても携わってる人間にペイするのは構わない。

ただマージンを取られるのは気に食わない。

音楽業界にベットするためのチップになるならいいんだけど私腹を肥やすコインチョコになるなら払いたくないよという話。

 

まぁでも握手券なんかみたいにCDを売り飛ばすための欺瞞に満ちた夾雑物が無いという点でダウンロードはすっきりしてていいかなぁと思う。

本当に曲だけを買っているわけだから。

なのでオリコンチャートなんてカオティックな物差しよりはiTunesとかの売れ筋を見た方が正確というか截然と「売れている曲」を測れる。

 

 

なにより今回のように海外に居たり、店頭までCDを買いに行くのが億劫だったりする時は非常に便利。

選択肢が増えてニーズによって買い別けられたり、場所・時間を問わないという仕組みは素晴らしい。

 

最近はレコードブーム復活もあって、レコードのおまけに楽曲のダウンロードコードが付いていてアナログを買ってもデジタルで聴いたり持ち運んだりもできる。

 

逆にデジタルで買っていても希望者には後々アナログが手元に届くなんて仕組みがいつか、どこかがやってくれたらいいなぁ。

手数やコストはもちろん掛かるだろうけど地道な土台作りからまた90年代みたいにみんな音楽を買うのがもっと手軽で集まればそんな話ができる時代がくるときっと楽しいと思う。砂山を高く築くには何度も頭を潰して大きな土台を作る必要がある。

 

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そんな様に二極で相克する事無く一緒に出来たりもっと中間のなにかいい具合の仕組みができたらいいな。

 

 

 

 

要約すると「海外いて日本のCDすぐ買えないからダウンロードしたけどやっぱり帰ったらCDで欲しい。でもフルプライスは払いたくないからいつかなんとかなれ。いや、そうしろ。」という吝嗇家の我儘でした。あと買った後のパスワード確認無くなれ。ファック。以上。